茨城の名手・名歌手たち 第27回 ピアノ、ヴァイオリン、箏 名手たちによる音楽の饗宴/競演

茨城の名手・名歌手たち 第27回

音 楽

2017 07 30

茨城の名手・名歌手たち 第27回 ピアノ、ヴァイオリン、箏 名手たちによる音楽の饗宴/競演

茨城ゆかりの優れた音楽家を紹介する「茨城の名手・名歌手たち」4月に開催したオーディションに合格した注目の「名手」たちによるガラコンサートを、9月16日(土)に開催します。
今年のオーディションでは厳正な審査の結果、10人が合格となりました。毎回50組前後の受験者があるこのオーディションで、合格者数が2桁に達したのは2012年の第22回以来5年ぶり。さらにその前はというと、2003年の第14回にまでさかのぼります。それほどこのオーディションは狭き門なのですが、だからこそ今回の10人という合格者数は、オーディションが高レベルの接戦であったことを物語っているとも言えるでしょう。

特に接戦だったのは鍵盤楽器部門でした。
今回の合格者は全員ピアニストで、菊池愛奈さん、所香菜さん、森田凪さん、石井里佳さん、岡安千尋さん、勝元和花奈さんの6人。
合格した方々には改めて演奏会で披露する曲目を考えていただいていますが、6人の演奏希望曲が出揃ってみると、驚いたことに、偶然にも全員がショパンかリストの作品を選んでいたのでした。しかも菊池さんと勝本さんの曲目は、ショパンの〈バラード第4番〉で重複。今までこれほど特定の作曲家が集中的に演奏された回はなかったのですが、今回は〈バラード第4番〉を最初と最後に置いて、ショパンとリストが交互に並ぶプログラムを組んでみました。
菊池さんと勝元さんのほかに、ショパンを弾くのは森田さん(スケルツォ第4番)と石井さん(ソナタ第3番)、リストを弾くのは所さん(ペトラルカのソネット第104番)と岡安さん(ハンガリー狂詩曲第2番)です。
2人の大作曲家による傑作揃いのピアノ作品を一挙にお楽しみください。

一方、弦楽器部門と邦楽器部門の合格者4人はヴァラエティ豊かな選曲になりました。
弦楽器の合格者はヴァイオリニスト3人。久保田綾香さんはR. シュトラウスの若々しいエネルギーを感じさせるソナタ、野口わかなさんは歌劇《カルメン》の旋律をもとにした華麗な幻想曲、飛田和華さんはシベリウスの重厚でスケールの大きな協奏曲を、それぞれ披露します。どれも聴き応え十分です。
邦楽器で合格した箏の稲垣佳代子さんは、オーディションで弾いた沢井忠夫〈讃歌〉を再び取り上げます。稲垣さんは今年NHK邦楽オーディションにもこの曲で合格されました。

以上10人の名手たちによる音楽の饗宴/競演。どうぞご期待ください。
演奏会の司会は、今回のオーディションの審査委員を務めた水戸室内管弦楽団の元オーボエ奏者の宮本文昭さんです。

(水戸芸術館音楽紙『vivo』2017年9月号より。一部加筆)

篠田 大基
篠田 大基
hshinoda@arttowermito.or.jp

音楽部門学芸員