【インタビュー(後編)】子どもたちとのワークショップをへてお贈りする、音と絵の旅 「うつくしいまち」の魅力

2018 06 27 【インタビュー(後編)】子どもたちとのワークショップをへてお贈りする、音と絵の旅 「うつくしいまち」の魅力

――ダリオさんはこれまで数々の舞台を通じて、子どもという存在と向き合っています。子どもと接するときに大切にされていることがありましたら、教えてください。

ダリオ:これまでずっと子ども達のための作品を創ってきたのは、子ども達が一番正直な観客だと信じているからです。そんな彼らには詩、音楽、視覚的な表現から吸収出来ることがたくさんあるはずです。
彼らが抱くファンタジーやイマジネーションが膨らむよう助けたり、そのための刺激を与えたりしながら、驚き、遊び、快活さ、想像や即興できる発想に繋がっていく素晴らしいポテンシャルを持ち続けていられるよう、助けてあげることこそが私達の使命だと思います。

――野村さんはこれまで、世界各地で多くの方と共同作曲したり、即興演奏をされています。そうした音楽作りの醍醐味について、教えて頂けますか?

野村:音楽は、一人でもできますが、二人、三人、大勢で演奏すると、また一人とは違ったことができます。みんなで違う音を出して、合わせてみると、不思議な響きになったりするのです。あと、みんなが、それぞれの持ち味で音を出すと、複雑な音になります。ピアノを弾く時、親指は親指らしい音、小指は小指らしい音で弾くのがいいんだよ、と有名な作曲家のショパンが言っていますが、その通りだと思います。みんな、自分らしい音を出すこと。みんなと合わせることは大切だけれども、合わせ過ぎて自分らしさを消すのは、もったいない、と思います。

――今回は子どもたちと一緒に、ワークショップ「野村さん、やぶさんと音楽をつくろう!」を水戸市植物公園で、「ダリオさんとお絵描きしよう!」を茨城県立歴史館内・旧水戸農業高校本館で開催します。子どもたちとどんなことをやってみたいとお考えですか?

野村:楽しいことしましょう。ちょっと変なこともしましょう。楽器じゃないものでも、音を出してみましょう。植物に音楽を聴いてもらったり、植物から音楽を考えたりもしましょう。

やぶ:音楽を奏でる場所によって音の響きや聴こえ方、それによって楽器の鳴らし方も変わってしまうことをいっしょに体験したいです。またほかの人といっしょにやることで、一人で演奏するのでは出会えなかった音にも出会えるのを楽しみにしています。

音楽ワークショップの様子(提供:城崎国際アートセンター)

音楽ワークショップの様子(提供:城崎国際アートセンター)

 

ダリオ:子ども達としたいとおうな思っているのは、とにかく彼らに負けず、予想もしないようなことを、常に先回りして提示していく、ということです。子ども達と何かをするというのは、実は難しくて、集中してもらうためには、常に彼らの興味の中心にいる必要があります。なので、絵を描くワークショップ、とは言っても、参加型パフォーマンスのように見えるかもしれません。でもこれが、遊んでいるときのように、子ども達が積極的、かつクリエイティブになれる方法だと考えています。

美術ワークショップの様子(提供:城崎国際アートセンター)

美術ワークショップの様子(提供:城崎国際アートセンター)

 

――公演に向けての思いや、お客様へのメッセージをお願いいたします。

ダリオ: 水戸という町は知らないのですが、Mito、と言うと、イタリア語では、神話を意味します。寓話や伝説、そして冒険や感情の嵐、そういったことを思わせる名前の町です。だから、そんな空想に少しだけでも触れられることさえ出来たら、きっと十分でしょう!

やぶ:水戸で上演できるのを楽しみにしています。城崎で見た山の風景や、そこでの生活を通して出来た作品と水戸での滞在で出会ったものが合わさって、水戸のまちの空気が入った「うつくしいまち」をお送りしたいと思います。ぜひ観にきてください。

野村:TMIの3人は、子どものような大人です。いや、大人のような子どもかもしれません。頭で考える前に、クンクン匂いをかぎます。ここは、におうぞ!これは、面白い!そうやって、つくっています。かつて子どもだった大人たち、これから大人になる子どもたち。ぜひ、水戸芸術館でお会いしましょう。「うつくしいまち」は、1時間もない短い旅ですが、それは、何億年もの旅かもしれないし、一瞬かもしれない。宇宙の果てまでの旅かもしれないし、隣の台所までの旅かもしれない。その時間を、皆さんと一緒に旅行できたら、本当に幸せです。そして、「うつくしいまち」を見た後には、いつも見慣れた風景が、違って見えてくるかもしれません。木が語りかけてくるかもしれません。壁の模様が顔に見えてくるかもしれません。ぼーっと見ても楽しいし、考え事しながら見ても面白いし、自分でお話をつくっちゃってもいい。「うつくしいまち」は、いろいろな楽しみ方をしてもらっていいんです。みなさーん、お待ちしておりまーす!

2018年5月
聞き手:高巣真樹(水戸芸術館音楽部門)


☆小さな聴き手のためのコンサート
テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ「うつくしいまち」
2018年8月5日(日)14:00開演
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
出演:ダリオ・モレッティ(共同演出・美術)、野村誠・やぶくみこ(共同演出・音楽)
全席自由:一般 1,500円、3歳以上12歳以下 1,000円
チケット取扱い:水戸芸術館チケット予約センター TEL 029-231-8000

関連プログラム①「こども・こらぼ・らぼ」2018
★おんがくワークショップ「野村さん、やぶさんと音楽をつくろう!」
2018年8月1日(水)11:00~16:00
対象:小学1~6年生(定員15名)ご応募受付中です!
講師:野村誠、やぶくみこ
会場:水戸市植物公園(水戸市小吹町)

※内容の詳細や応募方法はコチラからご確認ください。

★びじゅつワークショップ「ダリオさんとお絵描きしよう!」
2018年8月2日(木)10:30~12:00
対象:5歳~小学2年生(定員15名) 定員に達しました!
講師:ダリオ・モレッティ
会場:茨城県立歴史館内 旧水戸農業高等学校本館

takasumaki
makit@arttowermito.or.jp