ミュージカル『In Touch』鑑賞の手引き

演 劇

FEATURE

2018 08 08

ミュージカル『In Touch』鑑賞の手引き

いよいよ来週に迫ったミュージカル『In Touch』水戸公演。

「鑑賞の手引き」として公演の見どころを紹介します。

 

チラシやウェブサイトの情報を見ると、仮想空間、AI(人工知能)、アバター、環境汚染といったキーワードが出てきますが、一体どんなお話なのでしょうか。

 

「これだけ押さえておけば大丈夫!?」キーワード解説

ミュージカル『In Touch』では、実際に暮らす現実の空間と、AIとアバターによる仮想空間を行き来する形で展開していきます。

【現実空間】

温暖化の影響で地球の大気が汚染され、人間は室内で隔離生活を送っています。
都会で集合住宅に住む人もいれば、人里離れた環境で暮らす人もいます。
そんな人々を繋ぐオンライン上の仮想空間がIn Touch(インタッチ)です。

 

【仮想空間】

隔離生活を続ける人々を繋ぐ場所。物語の中ではIn Touchと呼ばれています。

In Touchの中では、人間はアバターを操作して買い物、旅行、投票といった様々な行動が出来ます。
そして、高度に発達したAIがまるで友達のようにアバターの手助けをしてくれます。

 

【アバター】

人間が仮想空間の中に作った「もう一人の自分」。
自分自身とそっくりに作ることも出来ますが、「理想の自分」に作り変えることも可能です。
例えば、現実空間では車イスで生活をしている人がIn Touchの中では自由に歩き回れる、といった具合に。

 

【AI】

In Touchの中で、アバターの行動を手助けしてくれる心強い存在。
高度に発達した優秀なプログラムも存在し、中にはAIが生み出したAIもあるようです。

そして、ある人物の言動をきっかけにAIに大きな変化が起き、In Touchや現実世界に影響が現れます。

 

 

いかがですか?

スマートフォンやスマートスピーカーに話しかけて天候を調べたり、商品を注文したことのある方もいると思います。
過度な環境汚染という点以外は、現在の私たちの生活と大きな差がないですよね。

 

では、もし私たちの交流の場が仮想空間に限られるとすれば、その中でアバターとAIを区別することは出来るのか?
人間より優秀なAIが、仮想空間を介して現実世界も支配するのでは…。

 

ミュージカル『In Touch』は、実はとても身近な物語なのです。

 

 

 

この作品のポイントは、人間も、アバターも、AIも、役者が演じるということにあります。

茨城出身の出演者に当てはめていくと、三森千愛さんはジェーンというアバター、二田加奈恵さんもアバターで、安達勇人さんはデイビッドという人間の青年です。

 

演出の菊地創さんも「難しい」と語る多重構造の物語ですが、稽古場では菊地さんの構成力と鋭い洞察力、個性的で魅力的なキャストの力を得て、立場や役割の違うキャラクターがはっきりと立ち上がってきました。

 

夫婦役の根本正勝さん、麻生かほ里さんからは、連れ添ったカップルが醸し出す人間らしさが溢れます。
声優としてもご活躍の新田恵海さん、千菅春香さんは、声が魅力的。
歌声で魅せるのは『レ・ミゼラブル』などの大作ミュージカルでもお馴染みの田村良太さん。
そして、ひと際異彩を放つの生粋の舞台役者・塚本拓弥さん。
アンサンブルのメンバーも個性派揃いです。

 

水戸芸術館に初登場のメンバーが多いフレッシュな顔ぶれですが、きっとお気に入りの役者が見つかるはずです。

 

水戸公演はいよいよ17日開幕。

9月2日の東京公演千穐楽まで、『In Touch』カンパニーによる探求の日々は続きます。

是非、劇場でお楽しみください。

演劇STAFF-H
khonma@arttowermito.or.jp