水戸室内管弦楽団 第102回定期演奏会 名手揃いのMCOによるコンチェルトの競演!

水戸室内管弦楽団

音 楽

2018 09 12

水戸室内管弦楽団 第102回定期演奏会 名手揃いのMCOによるコンチェルトの競演!

10月19・21日(金・日)の水戸室内管弦楽団(MCO)第102回定期演奏会は、メンバーによるコンチェルトの競演を、指揮者なしでお贈りします。国内外で活躍する演奏家たちが集中したリハーサルを重ねて作り上げる至高のアンサンブル(!)を、ぜひご堪能ください。
また18日(木)には小学5年生等を対象にした「子どものための音楽会」を開催(一般非公開)。20日(土)には、MCOのメンバーが中学生に吹奏楽を指導する「吹奏楽セミナー」も行います。受講校は水戸市立双葉台中学校、第二中学校、第四中学校、千波中学校です。一般の方も無料でご覧いただけますので、どうぞお越しください(要入場券。9月22日配布開始)。

さて、今回の演奏会は、弦5部のソリストとオーケストラとの掛け合いが楽しいストラヴィンスキーの組曲〈プルチネッラ〉で幕が開けます。
続いてはカバレフスキーの〈チェロ協奏曲第1番〉とヴィヴァルディの協奏曲集〈四季〉を、それぞれ宮田大さん(チェロ)と竹澤恭子さん(ヴァイオリン)のソロでお聴きいただきます。2012年のMCO第83回定期演奏会で宮田さんが小澤総監督と共演したハイドン〈チェロ協奏曲第1番〉や、2015年の第93回定期演奏会、2017年の第98回定期演奏会での竹澤さんのソロをご記憶の方も多いことでしょう(第93回はモーツァルト〈ヴァイオリン協奏曲第5番“トルコ風”〉。第98回は同じくモーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための〈協奏交響曲〉。ヴィオラ・ソロは川本嘉子さんでした)。高い人気と実力を誇る弦楽器奏者お二人の白熱の弾きぶりや、互いを信頼し合うオーケストラとの息の合った掛け合いを、ぜひライヴでご覧いただけたらと思います。

宮田大、竹澤恭子

宮田 大(チェロ)
竹澤恭子(ヴァイオリン) © 松永 学

 さまざまな対比が重なり合うプログラム

今回の演奏会は、イタリアの作曲家とロシアの作曲家、18世紀(バロック)の音楽と20世紀(モダン)の音楽とが対比される興味深いプログラムになりました。協奏曲のソリストとオーケストラという対比も聴きどころです。
「協奏曲」と銘打たれていなくとも、1曲目の組曲〈プルチネッラ〉もバロック時代に隆盛した合奏協奏曲の形式で書かれ、ソロ(独奏)とトゥッティ(合奏)の交代で音楽が進みます。20世紀ロシアの作曲家ストラヴィンスキーが、ペルゴレージなどのイタリア・バロック音楽の旋律を借用し、モダンな感覚で再構成した〈プルチネッラ〉は、たとえば同じ作曲者の代表作である〈春の祭典〉などのような不協和音を多用した音楽とは一線を画した響きがします。

このように古い時代の音楽と繋がることで醸される「親しみやすさ」は、20世紀ロシアの作曲家カバレフスキーの〈チェロ協奏曲第1番〉のなかにも、民謡風の旋律や民謡そのものの引用を通して感じられることでしょう。カバレフスキーはソヴィエトの厳しい政治体制下において、ロシア的であり、多くの人に分かりやすい曲を作ろうとしました。児童劇〈道化師〉の音楽(その中の〈ギャロップ〉は運動会でお馴染みのBGM)やピアノ初心者向けの曲集など、子どものための音楽が多く、〈チェロ協奏曲第1番〉もソヴィエトの若者たちに捧げようと作られた1曲でした。初演したのも学生オーケストラでした。

〈四季〉に代表されるヴィヴァルディの協奏曲群も平明な親しみやすい作品。作曲者の生前にはヨーロッパ中で大人気を博し、また後世に与えた影響も大きなものがあります。バッハが合奏協奏曲の作曲法を学ぶ手本にしたのがヴィヴァルディでしたし、合奏協奏曲から、演奏者のなかの特定の一人を際立たせる独奏協奏曲の形式へと導いたのもヴィヴァルディでした。19世紀には忘れられた存在となったものの、20世紀に再評価され、とくに〈四季〉は1960年代末にブームになり、その後、様々な作曲家がこの作品に触発されて新たな〈四季〉を作曲するようにもなりました。

親しみやすい相貌の3つの「コンチェルト」。その曲の中や、曲と曲との間に見出される様々な対比のドラマを、MCOのメンバーたちどのように描くのか、どうぞご期待ください。

(水戸芸術館音楽紙『vivo』2018年10月号より)


<公演情報>

水戸室内管弦楽団 第102回定期演奏会
https://www.arttowermito.or.jp/hall/hall02.html?id=1484

10/19(金) 19:00開演 10/21(日) 18:00開演
会場 水戸芸術館コンサートホールATM
全席指定 S席¥7,000 A席¥5,500 B席¥4,000 ユース(25歳以下)¥2,000

曲目
ストラヴィンスキー: 組曲〈プルチネッラ〉
カバレフスキー: チェロ協奏曲 第1番 ト短調 作品49
ヴィヴァルディ: 協奏曲集 作品8 〈和声と創意の試み〉から 第1~4番 RV269, 315, 293, 297〈四季〉

※小澤征爾総監督は体力・筋力のリハビリ中のため、出演いたしません。どうぞご了承ください。


水戸室内管弦楽団メンバーによる中学生吹奏楽セミナー
https://www.arttowermito.or.jp/hall/hall02.html?id=1513

10/20(土) 午前の部 10:00開始(9:45開場) 午後の部 13:30開始(13:15開場)
会場 水戸芸術館コンサートホール ATM
入場無料(要入場券。9月22日より水戸芸術館にて配布)

受講校
午前の部 水戸市立双葉台中学校、水戸市立第二中学校
午後の部 水戸市立第四中学校、水戸市立千波中学校

篠田 大基
篠田 大基
hshinoda@arttowermito.or.jp

音楽部門学芸員